皆様こんにちは。
この度、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科情報科学領域博士前期課程に合格しましたので受験記を残そうと思います。
僕自身、ネット上にあるたくさんの受験記に助けられました。この記事が今後受験を検討している方の一助になれば幸いです。
日記形式で長々と書いているので、時間がない方は適宜飛ばして読んでくださいね。
結果から申し上げると
・数学:線形代数1/2・解析0/1
・英語:TOEIC750点
・面接(小論文):1つだけ質問答えられなかった(小論文の完成度は高いはず)
こんな感じですが合格しました。
※本受験記は情報科学領域のオンライン受験について書いてあります。
NAISTとは
NAISTとは奈良先端科学技術大学院大学(NAra Institute of Science and Technology)のことで、奈良先端大やナイストと呼ばれています。
NAISTは学部を持たず、修士・博士課程で構成された特殊な大学です。
そのため、日本全国・海外から学生が集まります。集まる学生のバックグラウンドはさまざまで、学部と同じ専攻を継続する学生は勿論、学部での専攻とは違う学生や、理転してくる学生までいるようです。
NAISTは先端科学技術研究科という一つの科から成り、「情報科学領域」・「バイオサイエンス領域」・「物質創生科学領域」という三つの領域に分かれています。
中でも僕が受験した情報科学領域は人気があり、倍率も例年2倍以上となっています。
また、令和2年度から情報科学領域の教員が担当する序論科目、基盤科目及び専門科目の授業については、全て英語で実施しているようです。
授業アーカイブで先端科学技術研究科の2021から2018で深緑のfreeアイコンがついているものは部分的に学外に公開されている授業のようで、講義を視聴することができます。それ以前の年度の講義もfreeのものがあれば視聴できるはずです。
»授業アーカイブをみる
»先端科学技術研究科:英語による授業の実施
世間からの知名度は低い大学ですが、研究環境や研究実績は日本でもトップクラスであり、ノーベル生理学賞・医学賞を受賞された山中伸弥先生がips細胞を発見した場所でもあります。
筆者のスペック
入試の詳細を説明する前に、出願校をNAISTに決めた時の筆者のスペックを紹介します。
専門:深層学習
成績:GPA 3.21
資格:基本情報・応用情報・TOEIC440(L:210,R:230)
実績:無し
こんな感じで、成績が秀でているわけでも実力があるわけでもありません。専門に深層学習とありますが、当時は勉強を始めて半年くらいで、kerasで画像認識モデルを組んだ程度です。
ちなみに大学はいわゆるFラン私大で、偏差値50ありません。就職予備校とか言われてます。でも環境は良くて、やる気がある学生は伸びます(ほとんどいないけど)。先生方も優秀な方多いです。
それでは入試の詳細と対策を見てきましょう。
NAISTの入試
NAISTの入試は200点満点で採点され、4つの項目に分かれています。
・英語 (30/200)
・数学 (30/200)
・面接(小論文) (90/200)
1つずつ見ていきましょう。
書類審査
書類審査では主に学部の成績が見られます。大学ごとに成績の基準は違うので、なんとも言えないですが、良いに越したことはありません。どの科目の単位を取得したかも見られるようですね。悪すぎなければ問題ないのかなとか思ってます。
しかし配点は50点とかなり大きいので、侮れません。
英語
英語はTOEIC,TOEFL,Duolingo,IELTSなどのスコアを提出できます。ほとんどの方はTOEICを提出しており、2019年の合格者の平均点は670点のようです(英語受験者の平均は820点)。年々受験生のレベルが上がっているので、今年はTOEIC平均700点はあったのではないでしょうか。
配点は30点と小さいですが、入学してからも英語は使いますので、勉強して良い点数で提出しましょう。
数学
[数学出題範囲]
代数: 下記の Chapter 1 から Chapter 7 まで。
Gilbert Strang, Introduction to Linear Algebra, Fourth Edition, Wellesley-Cambridge Press
日本語訳: G.ストラング,線形代数イントロダクション,原書第4版,近代科学社
解析: 下記の全範囲。
Serge Lang, A First Course in Calculus, Springer
日本語訳: S.ラング,解析入門,岩波書店
数学は線形代数学と解析学から1題ずつ出題され、スケッチブックなどに解きながら説明をします(オンライン受験の場合)。
数学はNAISTから指定された書籍がありますが、僕は使わずにマセマの線形代数と微積を3周、学校で使っていた教科書を1周しました。
有志の方々が作成した過去問がありますので、力試しに解いてみるのも良いかもしれません。
面接(小論文)
面接は最も配点が大きいです。小論文は「これまでの修学内容及び進学後に研究したいこと」をA4用紙2枚で記述し、それを元に面接が行われます。
「これまでの修学内容(卒業研究等)について」
「奈良先端大において取り組みたい研究分野・テーマについて」
※必ず2つの課題について記述してください。それぞれの課題の記載分量については、出願者の裁量とします。ただし、両課題併せて2枚にまとめてください(1枚は不可。)。
前者と後者の分量は個人に委ねられていて、僕は1:4の割合で書きました。
NAIST合格までの7ヶ月
ここからは、僕が志望校をNAISTに決めてから入試本番までに取り組んだことを詳しく紹介していきます。
2020年 12月 志望校選定
僕の大学では研究室配属が3年次の10月に行われます。
深層学習に興味があったので、第一志望は脳型情報処理・人工知能を研究している研究室にしました。配属は基本的に成績順で、修士進学者は優先的に配属される仕組みです。僕は当時第一志望の研究室で内部進学するつもりでしたので、無事配属が決まりました。
実は配属前に研究室を訪問した際に興味のある内容について話を聞き、僕が本当に取り組みたい研究はできそうにないと分かっていたのですが、その時はなんとかなるだろうと楽観的でした。
それから時間が過ぎ、12月。ふと思い立ち外部の大学院で研究室を探してみることにしました。当然見つかるのは学部がある大学院ばかりで、内部生が同じ研究室でそのまま院進しているようでした。
そんな環境で外部から入ってきた人間がうまくやれるのか、少なくとも僕には怖くてできないだろうと考え、他を探しました。
そして見つけたのがNAISTです。
調べていくうちに非常に魅力的な大学院であることがわかってきました。
・研究実績がある
・研究環境が整っている
・やりたい研究ができる
ここしかないと思いました。
募集要項を見た感じ入試は頑張ればなんとかなりそうだったので、すぐに過去の受験記を読んだりして情報収集をはじめました。
2021年 1月 TOEIC勉強開始・NAISTオンライン説明会
まず最優先はTOEICのスコアを平均点に上げることだと考え、受けられる公開テスト・IPテストは全て申し込むようにしました。
当時は学校で受けさせられたノー勉TOEICスコア440点(L:210,R:230)しか持ってなかったので、急ぐ必要があります。
TOEICの具体的な勉強方法ですが、8割方スタディサプリで勉強し、残り2割は公式問題集・特急シリーズをこなしました。
スタサプはパーフェクト英文法
→パーフェクト講義
→実践問題集
を繰り返し行い、並行してTEPPAN英単語
で勉強を進めました。
リスニング・リーディングを勉強する上でそれぞれ意識したことは以下の通りです。
LISTENING
・音声は1.3倍速(スタサプの最大値が1.3のはず)
・問題を解き終わった後のディクテーションとシャドーイングは念入りに
・会話中に出てくる英単語の発音をしっかりと抑える
READING
・わからない場所があっても読み進める
・解き終わった後何度も音読
丁寧に一つずつこなしていくと確実に力がつきます。これは間違いありません。
公式問題集と特急シリーズですが、前者はversion5、後者は金のフレーズ・文法特急を使いました。公式問題集はCDが付属していますが、オーディオブックabceed(先日audiobookでのサービスは終了し、abceedに移行したようです)を使いPCやスマホでも音声を聴くことができるので、模試はもちろん復習にも使いましょう。金のフレーズは単語をひたすら覚えて、移動時間にabceedで音声を聴いていました。
そして文法特急ですが、とても良い参考書でした。
僕は中学の頃から文法が苦手だったのですが、この本に記載されているテクニックを使いこなすと本番のpart5はもちろん、6,7でも点数を上げることができました。
最後に、イヤホンではなくスピーカーで聴く理由ですが、これは本番環境を想定して練習しないと、会場によって反響がすごくて聞き取れないことがあるからです。電車での移動中などはイヤホンで聴いていましたが、家で勉強する時はmacのスピーカーで聴いていました(大きければ大きいほど本番に近いので良い気がします…)。
そして1月にはオンラインで学生募集説明会が開催されました。
たしかzoomで行われたはずです、バイト先の休憩室から参加しました。
既にNAISTについて調べ尽くしていたので新しい情報は得られませんでしたが、受験を検討しているなら参加しましょう。
2021年 2月 TOEIC公開テスト1回目・数学勉強開始
2月28日にTOEICの公開テストが午前・午後に分けて実施されました。
僕自身公開テストを受けるのは初めてで、約1ヶ月間の勉強の成果を確認する良い機会です。
↓前日のスクリーンショット、毎日少しでも良いから必ず勉強してました。
会場はアクロス福岡で、かなり大きい会議室に通されました。
席は一番後ろの真ん中です。
音声チェックの段階で少し音が小さいなと思っていたのですが、他の受験者が挙手してくれたおかげで僅かながら改善しました。
そして試験開始
音が反響して聞き取りづらい…。
会場が広いのと、いままでのリスニング学習を全てイヤホンでこなしていたのが災いしたようです。
あまりにも理解できなくて焦ってしまい、リスニングは撃沈しました。そしてリーディングも焦って20問くらい塗り絵する始末。死にそうになりながら帰宅し、17日後の結果発表を待ちました。
しかし結果は意外にも良かったのです。
250点近く伸びました、特にリスニングの伸びがすごい。一発で2019年の合格者平均点を超えることができました。
結果を受けて勉強方法が間違っていなかったことが証明されたので、引き続き毎日英語を勉強しつつ、数学の勉強に取り掛かりました。
数学は先に上げた通り線形代数・解析から1題ずつ出題されます(小問があったりする)。内容は学部1,2年で習うものですが、ほとんどの受験生は4年で忘れているでしょうから、マセマのような参考書で復習するのが良いかと思います。僕もマセマに関しては3周、学校で使っていた教科書は1周しました。
参考書以外の対策として、過去問に頻出だった積分を予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」でお馴染みのヨビノリたくみさんの「今週の積分」シリーズで練習しました。100問目は難しすぎる上に長いので動画を視聴しただけですが、1〜99問目までは完璧に理解しホワイトボードでも解けるようにしました。僕の場合、本番に積分は出題されなかったのですが、king propertyをはじめとする面白い内容(とファボゼロのボケ)は為になりました。
2021年 3月 TOEIC公開テスト2回目・数学・小論文執筆開始
前回のTOEICから3週間経過し、2回目の公開テストです。勉強方法は前回とほとんど変えずに丁寧に毎日勉強しました。
公開テストの感覚は掴めたので、問題演習は多めで進めていきました。
会場は地元の会議場で比較的小さく、席も前の方だったので環境は良かったです。
結果は
やりました、なかなか良い点数ではないでしょうか。
とりあえずTOEICの点数はこれで提出することにします。勉強期間は2ヶ月間で、勉強記録によると100時間でした。割と最短で効率良く点数上げられたのかなと思います。
TOEICが終わってからは少し疎かになっていた数学の勉強を再開し、メインでもある小論文の執筆を書き始めました。
書き始めるにあたって、志望研究室の教授が書いている論文を1つ読み、提案手法のアイデアを模索するのがいいと思います。自分の研究したいことが見つかったなら、まずはネットで検索してみて日本語の記事でいいので読みましょう。それからその分野の最新の論文を読んで、どういった課題があるかを確認し、少し工夫してなんとか提案手法を考えます。研究を始めてまもない人も多いので、完璧な手法を提案することはできません。新規性は弱くても自分で何かしら考えることが大切です。
情報科学領域はTeXで書いている人も多く、github上で探せば先輩方の小論文もいくつか見つかります。
↓先輩方のリポジトリです。
僕の小論文は入学後落ち着いたらpublicにするつもりです。
僕の小論文はTwitterでDM頂ければお渡しします。
2021年 4月 数学・小論文推敲
4月は数学の問題をひたすら解き、小論文を推敲していました。
過去問も解いていましたが、そこまで難しくないので息抜き程度に少しずつ解いていました。
下旬頃には小論文の初版が完成していたので、印刷して自分の研究室の担当教員に見てもらいました。専門とは少しずれるので詳しいことはわからなかったようですが、「おもしろい」と言ってもらえました(だからなんだという話ですが)。
そして偶然大学にNAISTで教員をされてた教授がいたので、アポを取って研究室を訪問しました。パターン認識の講義を担当されていたので、メールでアポを取った時に小論文を添付して目を通してもらいました。その方は10年ほど前にサイバネティクス・リアリティ研究室に在籍されていた方で、講義はもちろん入試での面接官の経験もあったようです。
面談を通してわかったことは
・固有値よくでるよ(10年前だけど)
・小論文はある程度読んで事前に面接での質問考えてる(先生によると思うけど)
・面接でよく聞いてた質問は「プログラム何行書いたことある?」
・オーキャンは行ったほうがいいよ
ほとんど雑談で、一緒にサイバネのVRツアー見てました()
2021年 5月 NAISTVOC・数学・小論文推敲
5月15日にオープンキャンパスが開催されることを知り、久しぶりの遠出で楽しみにしていたのですが、例のウイルスの影響で去年同様オンライン開催となりました。当日は10時スタート予定でしたが、アクセスが集中し接続できない状態が1時間弱続きました。
みなさん入れてないようなので
気長に待ちますか— ma (@ma62413082) May 15, 2021
Gather.townというサービスを利用して開催されていて、レトロなRPG風に再現されたNAIST構内を歩いて研究室や説明会に参加することができます。
↓当日の様子
入試説明会・研究室の説明会に参加し、志望研究室の先輩や教授とゆっくりお話しすることができました。
その時お話ししたM2の先輩に小論文の添削をお願いすることができ、返ってきた添削内容を元に修正を加えました。丁寧な添削のおかげでかなり質の高い小論文が書けたのではないかと思います。
結論としてオープンキャンパスはとても楽しかったです。バーチャルでもここまでできるのかと感動しました、さすがNAIST。
年に2回開催してるはずなので、受験を検討している方は是非参加してみてください。
2021年 6月 出願・数学・面接練習・事前接続確認
6月になり、いよいよ出願です。小論文やTOEICのスコアを出願書類と同封し、出願初日の朝から郵便局に行きました。
提出した段階で書類審査・TOEIC・小論文の点数は決まるので、実質半分くらい受験は終わっているということになります。
あとは数学と面接の練習をするだけです。
数学は本番を想定して一人でぶつぶつ説明しながらホワイトボードに解く練習をしました。手元で解くより計算ミスが増えてしまう傾向にあったので、落ち着いて解く練習を繰り返しました。
面接練習に関しては、想定される質問をひたすら考えて全て答えられるようにしました。考えれば考えるほど知識が不足していることに気付かされるので、論文やまとめ記事を読んで知識を補いました。友達や研究室の担当教員にも質問を考えてもらったのですが、想定していなかったようなことを聞かれたりしたので、色んな人に質問を考えてもらうといいと思います。
6月末、ついに受験票が届きました。
僕の元に受験票が届いたのは6/24で、Twitterで観測できる他のNAIST受験生もその日に届いているようでした。封筒の中の書類に事前接続確認の日程と本番の日程が記載されています。
事前確認ですが指定された時間にwebex会議室に入室します。最初に受験番号と名前の確認をされ、次に試問例が画面に表示されるので、スケッチブック・ホワイトボードに少し書き写し、問題なく見えるかの確認をしました。5分程度で終わります。偶然(?)担当の方が志望研究室の准教授だったので少し緊張しました。
NAIST入試本番
いよいよ入試当日です。
受付
2021年の第一回入試は7/5〜7/10に実施されました。
僕は初日の7/5で、お昼過ぎからの受験です。
前日の夜は緊張から寝付けず何度も目が覚めました、当日は寝不足の状態でしたが今日で良くも悪くも一段落ということで気合入りまくってました。
入室時間までは数学の参考書を読み返したり、小論文読んだり、面接の練習をしました。
そして入室時刻、入室すると受付の方に受験番号と名前の確認をされ、専願か否かを聞かれました(僕は専願です)。それから希望研究室を第一から第五希望までチャット欄に記入しました。
それから20分ほど待機時間があり、ついにステージ1の数学です。画面が切り替わり面接官が2人映し出されました。
しかしここでトラブル発生
音声が途切れ、映像が止まってしまいました。
めちゃくちゃ焦って、急いでNAISTに電話。
指示に従ってブラウザを変えたりしましたが解決せず、結局LANケーブル外したら解決しました。
amazonで買った30mのLANケーブルがどこかで断線しかけていたようです(リビングから部屋まで引っ張ってたからおそらく扉の開閉の影響かな…)
解決はしたものの、ここまでで20分経過しており、「最後に回しますねー。○時○分に入室してください」と言われました。迷惑かけて申し訳ありません…。
1時間30分ほど空き時間があったのですが、トラブルのせいで勉強をする気力は無くなり、YouTubeを見ていました。
数学
そして仕切り直しの本番、数学が始まりました。ちなみにトラブルのせいで全く緊張していませんでした。
しかし、問題を見た瞬間詰みを確信しました。線形代数・解析ともに意味がわからない。
「線形代数から解きはじめまーす」とか言ってとりあえず問題文写していると、途中で線形代数の(1)は解法が浮かんだのでなんとなく説明しました。(2)は全くわからなかったのでパスしました(終わってから考えたら簡単だった…)。
問題は載せられませんが、(1)は行列の回転と平行移動、(2)別の条件でも成り立つから証明してくれ。って感じでした。
解析は与えられた不等式が成り立つことを証明してくれ。って感じです。山張ってた積分出なかった段階でもう諦めてました。「もうわからないので終わりでいいです」って言いました。情けない。
数学の出来に不合格の文字がチラついてましたがまだ挽回できるはずなので、切り替えてステージ2の面接官が入室するのを待ちました。
面接
しばらくすると面接官が入室しました。
———ここから覚えている範囲で会話を再現します———
A「接続は大丈夫そうですね。専願ということでいいですか?」
僕「はい。」
B「早速始めましょうか、kaggleで画像コンペに参加したことあるみたいだけど、どんなこと考えながらやってた?」
僕「画像コンペの参加は初で〜を考えてました。」
B「参加することに意義があったということですね。わかりました。」
C「卒研のテーマで植物の病気を診断するみたいだけど、これ面白そうだね。専門知識(植物)はどうやって勉強してるの?」
僕「ラベルがついてる訓練データを〜してます。」
C「なるほどね。」
B「卒研でViT(Vision Transformer)ってのを使うみたいだけど説明してください。」
僕「まず通常のTransformerを説明したほうがわかりやすいので説明しますね。Transformerは〜というもので、ViTはTransformerを〜です。」
B「なるほど、〜というものなんですね。途中でAttention出てきたけど説明できる?」
僕「Attentionは〜というものです。」
B「わかりました、ありがとうございます。ViTがすごい面白い技術ってことはわかったけど、これからどんな風に変わっていくと思う?」
僕「(どういう風に…?)えーっと…」
C「あれ、また止まった?(トラブって面接時間遅れていたため)」
僕「え、止まってます?(わかんないから黙ってただけだよ)」
C「あ、大丈夫だねw」
僕「すみません、まぁ〜って感じじゃないでしょうか?」
B「(微妙そうな表情を浮かべて)わかりました。それでは研究したい内容について聞いていきますね。提案手法のベースとなっているMask R-CNNはU-netとどう違って、どこが優れているの?」
僕「Mask R-CNNは〜で、それに対してU-netは〜です。」
B「わかりました。A先生何か質問ありますか?」
A「あ、はい。僕はこの小論文の提案手法、やろうとしている内容とても面白いと思いました。この内容を深く研究していくとして、どうやって研究進めていく?」
僕「〜のように進めていきます。」
A「わかりました、ありがとう。」
C「○○君、海外で研究したいとか思わないの?」
僕「持病のこととかあるので…。」
C「あ、そうなんだ。願書の職歴ってこれは…」
僕「あ、それ書かなくてよかったですよねwただのアルバイトですw(社会人学生向けの職歴欄?だから書く必要なかった)」
C「そういうことねwじゃあ勉強以外で頑張ったことある?サークルとか。」
僕「ないですね、サークル入ってないですし。小論文に書いてある通り、授業と資格勉強と深層学習の勉強くらいしかしてないです。」
C「資格何とったの?」
僕「基本情報と応用情報です(小論に書いてあるけど)。」
C「なるほどね」
B「それでは時間なので終わりましょうか、お疲れ様でした。」
僕「はい、ありがとうございました。」
質問されたのはこれで全部のはずです。終始和やかな雰囲気で面接は行われました。
志望研究室の教授が僕の小論文に出てくる手法を全く知らなかったようで、どのレベルまで説明すれば良いかわからずに、めちゃくちゃな感じで説明してしまった気がします。
説明が終わった後に、「こういう認識であってますか?」と要約してくれて、その内容は正しかったのでちゃんと説明できていたのかな。両サイドの先生(特に小論文を誉めてくれたA先生)も僕の説明に対して何度も深く頷いてくれていたので、そこそこの説明はできていたのだと思います。普通は逆のはずなんですけどね。
トラブルもありましたが、なんとか受験を終えることができました。
合格発表
入試が終わってからちょうど2週間後の7月19日、10時からホームページで合格発表があります。
入試直前よりもはるかに緊張していました。
10時になり、合格発表のリンクが掲示され、開いてみると…
最初に目に入ったのは自分の受験番号でした。
合格してました。本当に良かったです。
2021/08/11追記
合格発表から3日後の7月22日、NAISTから合格通知が速達で届きました。
同封されている書類には学生寮への入居や奨学金の貸与に関する書類がありました。情報科学領域は例年のように研究室の優先配属権は同封されていません(優先かどうかに関わらず)。物質やバイオは同封されていたようです。
そして8月11日、出願の時に指定したメールアドレスに研究室の配属に関してのメールが届きました。
研究室への配属内定が出たようですね。
今後の展望
なんとかNAISTに合格しましたが、本当に大変なのはここからです。
周りとの基礎学力は雲泥の差です。それをカバーするために人一倍努力する必要があります。英語はもちろん技術的な面ももっと成長させないといけません。
まだ奈良に行くまでに時間はあるので、あと8ヶ月、全力で勉強しようと思います。
僕と同じ春からNAISTのみなさん、NAISTの先輩方よろしくお願いしますね。
そしてNAISTへの進学を検討しているみなさん、応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
[…] 院試に関してはこちらの受験記をご覧ください、超大作です。 […]